社会福祉協議会(社協)とは

社会福祉協議会は、福祉のまちづくりを進めます

社会福祉協議会は、全国すべての市区町村、都道府県、全国の段階に組織され、地域住民、ボランティア・NPO、民生委員・児童委員、社会福祉法人・福祉施設等とともに、ボランティア活動、地域福祉活動を通じて、誰もが社会から孤立せず、いきいきと安心してその人らしく暮らせる「ともに生きる豊かな地域社会」の実現を目指したさまざまな活動を行っています。

地域住民の力とネットワークで一人ひとりの暮らしを支える

社会福祉協議会の活動は、行政や専門家・専門機関だけが行うのではなく、地域住民やボランティアや地域の様々な関係機関に参加いただき、 一緒に知恵や活動、あるいは財源も出し合って取り組みをすすめます。地域に暮らす人々が「暮らし続けたいと思う地域」の姿を描き、様々な形で参画し、専門職・専門機関や自治体、企業等と協働して支えていく、地域の生活支援の仕組みづくりを行います。

社協の構成

市区町村に設置された社協は、そこで暮らす地域住民、社会福祉や保健・医療、教育などの関連分野の関係者、NPO、さらに地域社会を形成する他のさまざまな専門家・団体・機関によって構成されています。

住民会員・賛助会員

社協は、地域住民の参加や協力・支持を基礎として事業を展開しています。そのための仕組みとして、約9 割の市区町村社協が「住民会員制度」をもっており、住民からの会費を地域福祉の推進に役立てています。

住民会員制度をもつ社協
1,316社協(87.0%)
住民会員加入率60%以上の社協
793社協(住民会員制度がある社協の60.3%)

(2018 年社協活動実態調査)

住民主体の原則

社協では、地域の福祉を推進していく基本的な主体は地域社会に暮らす住民自身である、ということを「住民主体の原則」として確認し、社会福祉協議会基本要項に位置付けています。「住民主体」という言葉は、1960 年に山形県で開催した「都道府県社協組織指導職員研究協議会」において使われ、その論議を踏まえて「住民主体の原則」にまとめあげたとされています。

社会福祉協議会の法律上の位置付け

社会福祉法(第4 条):地域福祉の推進

地域福祉の推進は、地域住民が相互に人格と個性を尊重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現を目指して行われなければならない。
2 地域住民、社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者(以下、「地域住民等」という。)は、相互に協力し、福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会を構成する一員として日常生活を営み、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されるように、地域福祉の推進に努めなければならない。

社会福祉法(第109 条):地域福祉の推進を目的として社会福祉協議会は以下の事業を実施する

  1. 社会福祉を目的とする事業の企画及び実施
  2. 社会福祉に関する活動への住民の参加のための援助
  3. 社会福祉を目的とする事業に関する調査、普及、宣伝、 連絡、調整及び助成
  4. 前3 号に掲げる事業のほか、社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図るために必要な事業

社協職員行動原則─私たちがめざす職員像─

平成23 年5 月18 日 全国社会福祉協議会 地域福祉推進委員会

社会福祉協議会は、その法定化以来、住民主体による地域福祉の推進をめざし、制度だけでは対応しづらい様々な福祉問題に対して福祉サービスや相談援助などの個別支援と地域における協働による解決を重視して、住民が主人公となる社会福祉のあり方を追求してきました。

私たちは、社会福祉協議会法定化60 周年を期に、これまで築き上げてきた社協職員としての価値観や使命感を「社協職員行動原則」として共有し、誇りをもって行動します。

【尊厳の尊重と自立支援】

1. 私たちは、人々の尊厳と自己決定を尊重し、その人が抱える福祉問題を解決し、住み慣れた地域でその人らしく暮らすことができるよう最善を尽くします。

【福祉コミュニティづくり】

2. 私たちは、住民が身近な地域における福祉について関心をもち、福祉活動に参加する住民主体による福祉コミュニティづくりをめざします。

【住民参加と連携・協働】

3. 私たちは、住民参加と地域の連携・協働により業務を行なうことを心がけ、地域に根ざした先駆的な取り組みを応援し、地域福祉を推進する実践や活動を広げます。

【地域福祉の基盤づくり】

4. 私たちは、福祉課題を地域全体の問題として捉え、新たな事業や活動の開発、提言活動や計画づくりの取り組みに積極的に関わり、地域福祉の基盤づくりの役割を担います。

【自己研鑽、チームワーク、チャレンジ精神】

5. 私たちは、自己研鑽を重ね、職員同士のチームワークと部署間の連携をすすめ、チャレンジ精神をもって業務を遂行します。

【法令遵守、説明責任】

6. 私たちは、法令を遵守し、自らの組織や事業に関する説明責任を果たし、信頼され開かれた社協づくりをすすめます。

社会福祉協議会のあゆみ(地域福祉の展開と社協活動の主な動き)

昭和26(1951)年
社会福祉事業法制定
第74条に都道府県社会福祉協議会、第83条に全国社会福祉協議会が規定された
昭和34(1959)年
保健福祉地区組織育成中央協議会発足
健民福祉運動の推進と住民による保健福祉地区組織活動の展開
昭和37(1962)年
全社協「社会福祉協議会基本要項」の策定
住民主体の原則が確立された
昭和49(1974)年
全社協「ボランティア活動を推進するための当面の方針」を提案
ボランティア活動推進の本格化
昭和54(1979)年
全社協「在宅福祉サービスの戦略」発表
食事サービスや入浴サービス等の開発が進み、在宅福祉サービスの推進を本格化
昭和58(1983)年
市町村社協法制化
社会福祉事業法に市町村社協が規定された
平成3(1991)年
国庫補助によるふれあいのまちづくり事業の開始
地域福祉の総合的推進のための予算化が実現。総合相談の仕組みづくりの推進
平成4(1992)年
全社協「新・社会福祉協議会基本要項」の策定
社会福祉協議会の構成員の明確化、住民主体の理念の継承と発展、福祉サービス等の企画・実施の強化
平成6(1994)年
ふれあい・いきいきサロンの提唱
身近な地域での交流の場づくりを推進
平成11(1999)
年国庫補助による地域福祉権利擁護事業の開始
判断能力が不十分な人に対する福祉サービス利用援助や日常的金銭管理支援の提供
平成12(2000)年
社会福祉法改正、介護保険制度開始
地域福祉の推進が社会福祉法に位置付けられる
介護保険サービス事業の実施
平成15(2003)年
全社協「市区町村社協経営指針」策定
市区町村社協の事業経営理念の明確化、業務体制の再構築、マネジメント体制の強化を推進
平成20(2008)年 「地域における『新たな支えあい』を求めて~住民と行政の協働による新しい福祉」(厚生労働省)
平成23(2011)年
東日本大震災
災害ボランティアセンターの広がり
平成24(2012)年
全社協「社協・生活支援活動強化方針」策定
あらゆる生活課題への対応、相談・支援体制の強化、アウトリーチの徹底、地域のつながりの再構築などに取り組むことを宣言
平成27(2015)年
生活困窮者自立支援法施行
「誰もが支え合う地域の構築に向けた福祉サービスの実現―新たな時代に対応した福祉の提供ビジョンー」(厚生労働省)
平成29(2017)年
全社協「社協・生活支援活動強化方針」見直し
諸制度改革の動向を踏まえ、2015年を起点としてさらなる取組促進に向けた改訂として「第2次アクションプラン」を策定
社会福祉法改正
市町村が包括的な支援体制づくりに努める旨を規定。地域福祉計画を各分野の福祉計画の上位計画として位置付け
令和2(2020)年
全社協「全社協福祉ビジョン2020」策定
2040年の社会の姿を見すえつつ、「全社協福祉ビジョン2011」以降の各福祉分野の制度や主な課題、各社会福祉組織の現状と課題等を整理。2030年までの10年間の横断的な取組の方向性を提起
社会福祉法改正
市町村において包括的な支援体制を構築するため、重層的支援体制整備事業を創設
全社協「市区町村社協経営指針」の改定
諸制度改革や社協をとりまく環境の変化を踏まえて、市区町村社協が具体的な戦略をもって経営に取り組むための方向性を提言
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